日仏会館でのコンサートが近づきました
東京恵比寿の日仏会館でのコンサートまで一週間を切りました。
私たちはフランス時間の水曜夕方にシャルル・ド・ゴール空港を発ちます。
着いた日と翌日は時差や長旅の疲れを解消するのに当てます。
日仏会館でのコンサートははじめての場所ですし、東京でのダンス付きコンサートはは2010年の白寿ホール以来です。
今回踊ってくださる高溝斐加里さんは、ずっとフランスが拠点だったので、アングロサクソンとは根本的に違うフランスバロックの心地よい優雅さを皆さんと分かち合っていただけるのが楽しみです。
日本の「クラシックコンサート」は、ともすれば、アングロサクソン系、ゲルマン系、スラブ系に偏りがちですが、フランスのバロック時代のオペラやバレエは、異世界への招待に似ています。フランスでは同時代の演劇で「三一致の法則」など古典的縛りがあったのですが、そのうち、「歌える役者」が芝居の中で歌い始め、バロックのバレエやオペラバレエに発展しました。
神話や魔術の世界への招待という娯楽になったのです。
今回、聴いていただく曲は、曲そのものの中にも異世界のエッセンスがつまっています。
それだけでなく、フランスはもともと踊り好きの国。
バロック音楽はそれを取り入れています。
今回のプログラムで、宮廷の優雅な踊りだと思われているメヌエットはもともとポワトゥ(南西部)地方の民衆の踊り、パスピエはブルターニュ地方の踊り、サラバンドはスペイン系、リゴドンはプロヴァンス地方、ルールはノルマンディの楽器の名前、ミュゼットは羊飼いの野外の踊りをイメージしたものでバグパイプの低音がずっと響いています。
17世紀から18世紀半ばまで、宮廷文化と田園趣味と異世界への憧れがミックスしたフランス・バロック音楽は、享楽が洗練された先に生まれる独特のエレガンスを備えています。
音楽学の洗練も進み、対位法、ハーモニー、色彩、モティーフの展開、すべて掘り下げられていますが、その全体は、演奏によってカテドラルのような巨大建築が浮かび上がるというようなタイプのものでなく、物語の世界、旅への招待というものです。
聴くだけで、ダンス曲のエッセンスによってフランス各地を旅することもできるし、魔法の世界もイメージしてもらえます。
今回の東京のコンサートの終わりにドリンクタイムが少しあるので、音楽について質問があればなんでも聞いてください。
すべての編曲を手がけたミゥディ氏がなんでもお答えします。私が通訳しますのでご安心を。
日本の曲のバロックアレンジについて私が彼にした質問は、「一体どうやってこんなを考えつくの?」で、
彼の答えは「原曲のハーモニーを掘り下げて徹底的に分析したら、後は全ての展開がひとりでに生まれてくる」というものでした。
30年も彼らと共に音楽を創ってきた私の幸運を皆さんと分かち合いたい気持ちでいっぱいです。
分かち合えるけれど所有はできない、何物にも代えがたいひと時は、私たちにとっても至福の時です。
楽しんでいただければ、彼らに、質問はもちろん、「楽しかったよ」と直接声をかけていただければ最高です。
お待ちしています。
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